このドキュメントは、Batikのアーキテクチャとそのそれぞれのモジュールについて、簡単に説明します。モジュール デザインの詳細については、Batik UMLダイアグラムを参照することが出来ます。

Batikのモジュールは次の3種類のどれかになります:

• アプリケーション モジュール
• コア モジュール
• 低レベル モジュール

以下の図はこれらの3つのモジュール タイプを示しています。

アプリケーション モジュールでは、コア モジュールの使い方を実現し、ユーザーにBatikのソフトウェアの機能を体験しながら評価させてくれます。

コア モジュールはBatikおよびこのプロジェクトの主な派生物の核心となります。これらを使うのはモジュールの開発者で、SVGコンテンツを操作し、ジェネレートし、、クリエートし、コンバートし、レンダリングするために使用します。

最後に、低レベル モジュールは、コア モジュールがそれらの作業を達成するために内部的に使用されます。これらのモジュールは、通常は開発者が直接に使用することはありません。

前述のように、アプリケーション モジュールは、Batikが提供する機能を実現します。

たとえば、SVGブラウザ は、さまざまなBatikコア モジュールを利用してビルドされており（たとえばJSVGCanvas GUIコンポーネントや ImageTranscoderなど）、また、BatikはSVGドキュメントをあなたに見せたり、ズームさせたり、パンさせたり、回転させたりするだけではなく、それらを検索したり、他のフォーマット（JPEG、TIFF、PNGなど）にコンバートさせてもくれます。

SVG プリティ プリンタ は、BatikがあなたにSVGコンテンツを操作・変換させてくれる、もうひとつの例を示してくれます。ここでは、潜在的に無秩序になっているSVGファイルを整理してくれるためのものです。

The SVG Font Converter は、True Typeフォント フォーマット中の一定の文字をSVGフォント フォーマットにコンバートすることで、BatikがアプリケーションにSVGフォント定義をSVGファイル中に埋め込むことができるような方法を実現しています。

最後に、SVG ラスタライザは、 トランスコーダAPI をSVGコンテンツとの間でコンバートするために活用する方法を示します。

アプリケーション モジュールが便利であり使っていて楽しいものであるとしても、それらはBatikプロジェクトの主要な成果ではないことに注意してください。むしろ、それらはBatikコア モジュールが使用され、結合される方法を実現しているものなのです。

Batikコア モジュールは、Batikアーキテクチャの核心です。それらは個別にあるいは連携して、様々な目的に使用することができ、また アプリケーション モジュールはいくつかの使用例を提供しています。

• SVGGraphics2D は、Java 2D APIの拡張デザインを活用することによって、全てのJavaテクノロジー アプリケーションに、スクリーンやプリンタに描画するのと同じくらい簡単に、グラフィックスをSVGフォーマットにコンバートさせてくれるモジュールです。
• SVG DOM はSVG 勧告で定義されている SVG DOM API の実装です。これはプログラマーにSVGドキュメントをJavaプログラムから操作させてくれます。
• JSVGCanvas はUIコンポーネントで、SVGコンテンツを表示し、ユーザーにそのコンテンツをインタラクトさせてくれます（ズーム、パン、回転、テキスト選択など）。
• Bridge このモジュールは、直接利用されることは少ないですが、SVGドキュメントを、グラフィック ベクトル ツールキット、GVTに基づいてBatikが使用しているグラフィックの内部表現にコンバートできます。

低レベルモジュールは、Batik APIをを利用する開発者が、直接に利用するようなことは期待されていません。むしろ、それらはコア モジュールの操作をサポートするためのものです。低レベル モジュールに含まれるのは:

• グラフィック ベクトル ツールキット (GVT), これはレンダリングとイベントハンドリングの目的に適合するDOMツリーのビューを表します。
• Renderer は、GVTツリーのレンダリングと、その関連タスクをを担当します。たとえば、ラスター ベースのRendererはキャッシングを実行するかもしれません（BatikのデフォルトのRendererではそうしています）。しかし、Rendererは、それが必要と判断したタスクを実行することができますし、それは必ずしもラスター ベースでなければならないわけではありません。
• マイクロパーサ。これらは transform 属性や color 属性といった、複雑なSVG属性のためのパーサであり、より上位のモジュールが依存しているものです。